百マス計算プロジェクトは妥協を重ねた末に生み出したものだった。
滞在447日目
こんにちは!原田です!(@hara_223)
もう9月も終わりですね。
日本ではそろそろ秋が始まるころでしょうか。
そういえば人生で初めて四季のない1年間を過ごしましたが、やはり四季というものは素晴らしい。
季節ごとに景色が変わり、食事も変わり、服装も変わり、デートの場所も変わる。
それとともに月日の経過を感じ、ああもうこの季節かなんて日本人は趣深いですね。
日本が夏の甲子園で熱狂している中、そのニュースを見て「ああ、もう春の選抜の時期か」とつぶやいた自分にはドン引きしましたね。笑
さて、いきなりですが私が最近活動の中心として行なっている「百マス計算プロジェクト」、そして最近はできていませんが今後またやりたいなと思っている「板書改善プロジェクト」、これらは妥協の塊です。笑
もちろんスリランカの数学教育の現状を考えると、どちらも必要なものであることは確かです。
絶対必要です。
しかし、これらにたどり着くには、ネガティブな理由がメインだったような気がします。
今回は、これらのプロジェクトを考えつくに至るまでの過程を書いてみたいと思います。
- 妥協①モチベーションの低すぎる公立学校の先生たちに合わせよう。
- 妥協②何かを定着させたいなら毎日やれることしかない。
- 妥協③何かを定着させたいなら先生の負担になることは論外。
- 現状を理解し、その中でできることを。
妥協①モチベーションの低すぎる公立学校の先生たちに合わせよう。
私の任地アンパーラの公立学校で働いている先生方は、仕事に対するモチベーションがかなり低いです。
何をもってモチベーションが高い、低いと判断するのかは人それぞれかもしれませんが、私の基準ではかなり低いです。
本当にアンパーラの学校現場に足を運んでいただきたい。
確かに頑張って仕事をしたからといって給料が上がるわけでもないですし、もともとスリランカの先生は大した給料をもらえているわけでもないので、モチベーションが上がらないのは2万歩くらい譲って理解できます。
がしかし、子どもの人生に大きな影響を与えるであろう学校の先生がそれでいいのか。
そんなことを思っていますが、この現状を変えることは残念ながら不可能です。
ですので、ここは妥協するしかありません。
この現状にいちいち文句を言っていても仕方ありません。
この現状の中でやれることを模索していきます。
妥協②何かを定着させたいなら毎日やれることしかない。
さあ意欲の低い先生たちにどうやって少しでも技術移転をするか。
最初の頃はそんなことを考える毎日だった気がします。
例えば、正の数・負の数を教えるときにはどういったことが大切か、先生と議論をしたり、自分の考え方を提案したりしたとします。
しかし、これは正の数・負の数の単元に限定したものです。
ということは、これを仮に今年実践したとして、次にこの指導方法が実践されるとしたら来年ということになります。
1年後に前年にたった1、2回やったものを覚えているとは思えません。
このやり方では定着なんて不可能だというのが私の結論です。
日本では可能だと思います。
セミナーで学んだこと、本で学んだことを実際に学校現場で実践し、修正を加えてまた来年もやってみようというのはあり得ると思います。
それは、先生本人のやる気がハンパないからです。
何かを定着させたいなら毎日やれることしかない。
そんな結論から導き出したのが、「百マス計算プロジェクト」と「板書改善プロジェクト」です。
百マス計算は毎日手軽にできますし、板書も毎日するものです。
これなら否が応でも定着するだろうと考えています。
妥協③何かを定着させたいなら先生の負担になることは論外。
何かをやるにしても準備に時間がかかるものはダメです。
次回絶対やろうとしませんから。
何かを定着させたいなら準備に時間がかからず、先生の負担にならないもの。
そんな結論から導き出したのが、「百マス計算プロジェクト」と「板書改善プロジェクト」です。
百マス計算は、百マス計算用ノートさえ生徒に準備させれば特に何も準備するものはありません。
板書ももちろん黒板があればいいので、準備するものはありません。
これなら否が応でも定着するだろうと考えています。
現状を理解し、その中でできることを。
すべての青年海外協力隊員に要求されていること、それは「現状をしっかり理解し、その中でできることをやりなさい」ということのような気がします。
知識・経験が豊富な現職の先生であってもこれができなければただの押し付けがましい外国人ですし、知識・経験が浅い新卒であってもこれができれば最大限の支援を実現することができると思います、
もっとこんなことがしたかったなあという思いはいまだにありますが、できそうなことを一生懸命やっていくしかありません。
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