教育省で日本の数学についてセミナーをしてきました!
滞在585日目
こんにちは!原田です!(@hara_223)
将来教員をやりたいなと思ってはいるものの、どこでやろうかなと考える今日この頃。
生まれも育ちも岡山ですが、本籍があるのは広島で私は長男なので最終的には広島に落ち着くことになります。
学生時代を過ごした京都もいい町でしたし、知り合いもたくさんいます。
まあでもスリランカで教員をしたことを考えれば、日本であればどこでもいい気もします。笑
日本万歳。
さて、先日教育省でセミナーをしてきました。
今までの活動の中で一番ハードでしたが、なんとかやりきることができました。
さらに、今回は民間企業のすららネットさんにもご協力いただきました!
その辺のことも詳しく書いていこうと思います。
- 始まりは前回の教育省ミーティングから
- 鬼のセミナースケジュール
- すららネットさんに協力要請
- テーマその1「活動報告」
- テーマその2「百マス計算」
- テーマその3「e-Learning」
- 昼休みは別室のセミナーに招待される
- テーマその4「授業テクニック」
- テーマその5「日本のシラバス」
- おまけ「スリランカに来て感じたこと」
- セミナーを終えて
- 後日談
始まりは前回の教育省ミーティングから
セミナーをしてほしいと言われたのは2回目の教育省ミーティングをしたときでした。
今回のセミナーを含め、教育省とは関わりを持ち続けながら活動の幅を広げることができています。
私にとっても国の教育の中心の方々と関わらせていただけるのは非常に貴重でありがたいです。
鬼のセミナースケジュール
教育省での定期ミーティングは、いつも約1時間程度でした。
ですので、今回のセミナーもこちらからは1時間程度ということで連絡しました。
すると教育省からの返事は
「1時間ではセミナーを組めないので朝の9時から夕方の16時までやってください。」
というものでした。
「おいおい、そんなたくさん喋らしてくれるんかよ!」
とテンションが上がっていたのはその返事をもらったときだけでした。
本番が近づき準備を始めてみると、丸一日分のセミナーを準備することはかなり大変でした。
すららネットさんに協力要請
以前、教師海外研修というJICAのプログラムに同行し、スリランカにてe-Learningによる学習支援を行なっているすららネットさんの存在を知りました。
日本ではもちろんのこと、スリランカ以外の国でも事業展開されているとのことで、これは私が話すなんかより全然いいと思い、すぐにJICAを通じて連絡を取らせていただきました。
海外事業担当者の方とスカイプで連絡を取らせていただき依頼したところ、快く承諾していただきました。
本当に感謝しかありません。
これを機に「Surala Festival」というものにも声をかけていただき、当日スタッフとしてお手伝いをさせていただきました。
テーマその1「活動報告」
私の活動内容について話しました。
特に日本の技術や知識を残していきたいんだという活動当初からの変わらぬ思いは、どのセミナーでも話しています。
テーマその2「百マス計算」
スリランカの多くの子どもが抱える基礎計算力の課題に対して、百マス計算という活動を紹介しました。
実は、スリランカでも百マス計算というものは数学の先生であればほとんどの人が知っているのですが、重要なポイントはあまり理解されていないように感じます。
アンパーラの学校であった以下のような事例も紹介しました。
・子ども同士を比べて、できる子は褒めて、できない子は褒めない。
→その子自身の伸びをしっかり見て、褒めてあげる必要がある。
・マスの数を1から9までそのまま並べてしまう。(足し算はとても簡単になりますよね。笑)
→ランダムに並べ、しっかり百回分の計算をさせる必要がある。
しかし、紹介したのはアンパーラで見た先生のできていないところばかりでした。
よくよく思い出すと、点数の記録表を作成してくれたり、丸つけの時間に制限時間をつけて集中させたりと、先生が自主的に動いた紹介するべき良い部分もありました。
私こそ悪いところばかりに目がいっていました。
良い部分もしっかり紹介するべきでした。
テーマその3「e-Learning」
ここですららネットさんの登場です。
日本人の方から、彼女はセミナーをやりなれているから大丈夫と聞いていましたが、もう私なんて足元にも及ばないくらいお上手なセミナーでした。
とても勉強になりました。
お願いしていたのは、e-Learningのメリット、塾などでの成果の紹介でした。
学校の先生が見ている生徒数は数十人いること、そして同じ授業で全員が理解することはなかなか難しいこと、それを解決するためにe-Learningを使った個別指導形態があること、そんな話をしていただきました。
この途中に私は別室のセミナーに呼ばれてしまったので、最後までいることはできなかったのですが、後からプレゼンしてくださった方とお話ししたところ、新しい指導形態(今自分たちがやっている集団授業とは違う形態)に若干の抵抗を持っている方が結構いたようでした。
なるほど、そういう反応が出てくるかという感想です。
そらそうですよね。
日本でも抵抗がある人は結構いそうですし。
特に、スリランカではまだまだ身近ではないものなので、革新的なものに対して身構えるのはごく自然なことのような気がします。
セミナー参加者が「指導形態の1つとしてe-Learningを活用した個別指導というものがある」と新たな知識として持ち帰ってくれたらそれでいいと思います。
にしても、お願いしたのは90分という長い時間で、本当にお忙しいところありがとうございましたという感謝の気持ちでいっぱいです。
昼休みは別室のセミナーに招待される
別室に北西部州の教育事務所の人たちが集められており、そこに呼ばれました。
内容は、百マス計算についてです。
ざっと30名くらいはいたと思います。
こっちの方が大勢いましたし、年配の方が多かったので緊張しました。
スリランカ内で、少し有名人になれたのではと思います。
テーマその4「授業テクニック」
日本の授業の様子をビデオで実際に見てもらいながら、先生の指導の様子を観察してもらいました。
ここまでずっと話し手が話し続ける講義形式だったので、ワークシートを準備して活動してもらいました。
まずは、ビデオを見て気づいたことをひたすら書く時間。
その後、グループで意見共有。
最後に全体に向けて発表。
実は、こちらが話し続けるのは案外楽だったりします。
なぜなら、知っている単語を使えばいいからです。
グループの意見共有や全体発表の際は、話すのはもちろんセミナー参加者です。
知らないシンハラ語も多く出て来ますし、ぎりぎり理解できるくらいのところです。
また、こういう形式はあまりスリランカでは行われていないような気がします。
セミナーといえば、ずっと話し手が話しています。
演説のように華麗に話すことがよいセミナーであるという感じです。
そういった意味でも、なかなかのチャレンジでした。
参加者からの解答には、机間指導をしている、ICT教材を使用している、グループ活動を取り入れているなどなど、ある程度観察してほしいところの答えが出てきたので、まあよしという感じです。
テーマその5「日本のシラバス」
お願いされたテーマの中で、一番やりたくなかったテーマです。
数学の専門用語が多すぎて説明が難しすぎますし、そもそも何を紹介したらええねんという感じでした。
指導要領の中身をちらっと紹介して、あとは質問タイムにしました。
このテーマは背伸びしすぎです。
私には荷が重かったです。
はい、終わり。
おまけ「スリランカに来て感じたこと」
最後、20分くらい時間が余ったので、スリランカに来て感じたことを話しました。
一番反応が良かったのはここです。笑
特に準備もしていなかったので、思いついたことをひたすら言っていきました。
何を話したかあまり覚えていませんが、「日本は発展しました。でも本当に先進国なんだろうかと思います。」みたいなことは言った気がします。
日本も多くの課題を抱えていますからね。
スリランカの課題をいくつか指摘した分、日本の課題も紹介しました。
セミナーを終えて
やってよかったなと思います。
でももう一度やりたいかと言われると迷います。笑
日本語でも英語でもないその国の土地の言語で、その言語を母語とする人の前で、自分より全員年上で、教員から教育事務所の人間までいて、私のことなんて当然知らない状態で、朝から夕方までという長時間、そんな中セミナーをやることがどれだけ大変なことなのか。
改めてよくやったなと思います。
反省点は多々ありますが、まあよしとします。
後日談
参加者が電話をくれたので彼の家にお邪魔してきました。
早速学校で百マス計算を実施してくれたとのことです。
彼の住む街は任地から4時間近くかかるので、彼の学校に行くことは簡単ではないのですが、いつか学校にお邪魔して一緒に百マス計算をしてみたいものです。
セミナー、やってみるものですね。
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